日本キリスト教団昭島教会(東京都昭島市中神町1232-13) ナザレの村里 奏楽・長井志保乃さん 字幕・富栄徳さん 礼拝開始のチャイムはここをクリックするとお聴きになれます 週報(第3609号)電子版はここをクリックするとダウンロードできます 宣教要旨(下記と同じ)PDFはここをクリックするとダウンロードできます 「仲間を赦さなかった家来」 マタイによる福音書18章21~35節 昭島教会 秋場治憲兄 「私がお前を憐れんでやったように、お前も自分の仲間を憐れんでやるべきではなかったか」 はじめに今日の譬の概略を申しますと、今回の譬も弟子のペテロの質問がきっかけとなっています。ペテロが「主よ、兄弟が私に対して罪を犯したなら、何回赦すべきでしょうか。七回までですか。 [1] 」それに対して主イエスは「あなたに言っておく。七回どころか七の七十倍までも赦しなさい。」 と答えられた。 ペテロはユダヤ人で、律法の中で育ってきた人です。ユダヤ人の色彩が色濃く出ています。今、出来上がろうとしている若き教団の中の問題としても考えられます。18章の1節、15節、35節を読んでみて下さい。色々と考えさせられます。今日の譬の中心テーマは、何回赦さなければならないかということです。ペテロは赦しの問題を、数や量で計ろうとした。それに対して主イエスは、七の七十倍までも赦しなさい、と言われた。赦しは深く、広いもので、数量では計られない、と言うのです。 そこで23節以下の譬が語られます。「ある王が、家来たちに貸した金の決済をしようとした。決済し始めたところ、一万タラントン借金している家来が、王の前に連れてこられた。」この人は地方長官のような役柄の人であったと考えられます。この種の行政官には、徴税の権限があったので、徴収した税金を自分のポケットに入れていたのかもしれません。それにしても一万タラントンというのは、膨大な金額です。聖書の巻末にある「度量衡および通貨」表によると、1タラントンは6000ドラクメで、ドラクメはデナリと等価であるとなっています。つまり1タラントンは6000デナリということです [2] 。当時のヘロデ大王の年間収入が900タラントンと見積もられていますので、想像を絶する金額であることが分かります。主イエスはこのとてつもない数字によって、どんなことをしても返済できない金額を示し...